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米国不動産投資に関するQ&A集

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(記載:12/20/2020)

1. 不動産投資の名義について


(1)個人名義

最も多く使われる方法です。多く使われる理由は、以下の通りです。
※初期費用があまりかからない。
※日本での個人申告時に短期的な償却のメリットが取れる。
※米国での長期譲渡の優遇課税が個人の場合は安い。

(2)夫婦共同名義

この名義の場合は、上記プラスして、以下のメリットがあります。
※申告は所得を夫婦で半分ずつにしますがそれぞれ基礎控除($4,000程度)が取れます。
※長期譲渡課税の非課税枠(3万ドル程度)を夫婦それぞれ取ることができます。

(3)法人(株式会社)の設立

株式会社を設立して、不動産を保有される場合もあります。理由として、以下のことが考えられます。
※日本の税務と切り離す。
※不動産売却時に、1031 Exchangeを利用することにより課税の繰り延べが可能。

(4)法人(LLC)の設立

LLCを設立されることも、比較的多くあり、以下のメリットがあります。
※パススルー課税のため個人同様物件売却時に米国での長期譲渡の優遇課税を受けることができる。
※あるいは不動産売却時に1031 Exchangeを利用することにより課税の繰り延べが可能。
※大きな問題があった場合に個人にまで補償責任が来ることを回避することが可能。(有限責任)

(5)支店設立

日本の法人名義で米国不動産を購入し、日本で償却のメリットを取る場合は不動産投資をする州で支店設立をすることになります。
日本でも償却メリットを得るためなど申告をされている場合に、
売却時のことを想定して考慮すべき点として、
※個人や支店として不動産を購入する場合は日本で償却メリットを取ることができます。
(ただし、売却する場合は償却した分も含めて譲渡益になりますので、日本で大きな課税が発生する可能性があります。 米国で売却課税が発生しても、それを日本の申告で外交税額控除が取れるはずですので、米国での譲渡益課税を抑えても意味がない可能性があります。 ただし、為替変動などの要素もありますので抑えるに越したことはありません。 )
※1031 Exchangeを利用しての課税の繰り延べは個人でも米国では可能です。
(ただし、売却する場合は償却した分も含めて譲渡益になりますので、日本で大きな課税が発生する可能性があります。 米国で売却課税が発生しても、それを日本の申告で外交税額控除が取れるはずですので、米国での譲渡益課税を抑えても意味がない可能性があります。 ただし、為替変動などの要素もありますので抑えるに越したことはありません。)

2. 納税者番号について

(1)納税者番号

納税者番号は、米国で申告をする場合、必ず必要です。他にも、以下の場合に必要です。
※米国での収入に関して源泉税が発生する場合で租税条約での軽減税率を適用したい場合
※W8 ECIを使って家賃などの所得に関して源泉税を回避したい場合

(2)納税者番号の取得方法

申告と一緒に申請書を提出します。その他、納税者番号が必要であることを証明する資料を不動産管理会社や投資会社などの源泉者から入手してその資料と共に申請書を提出します。

(3)申請手続き

パスポートなど身元と外国人であることを証明する書類の原本あるいは認定された期間により公証されたコピー(在外日本大使館が発行する旅券所持証明書など)を申請フォームであるW-7フォームに添えてその他上記の資料あるいは申告書と一緒に米国の国税庁に提出します。

※取得には2ヶ月ほど必要。(これを早くする方法はありません)
※実際には、追加資料の請求や明らかに当局側の不手際と思われる理由により、再申請を強いられるケースが、時々あります。
※弊社では、Certified Acceptance Agentの資格を有しています。海外の大使館への出頭をしなくても、簡単なビデオ面談(Zoom, Line, Skype)で公証手続きが可能です。

3. LLCを使った不動産投資について


(1)LLCとは

LLCとは簡単に言いますと有限責任のパートナーシップです。基本的にはLLC自体には利益ベースの課税はなく出資者(メンバーと言います)に利益が振り分けられメンバーがそれぞれの申告書で振り分けられた利益を計上して他の所得と合算申告をすることとなります。追加で税務上は法人として取り扱うことを希望する選択を国税庁に申請して法人としての課税を受けることも可能です。なお、メンバーが一人だけの場合は税務上は”Disregarded Entity”となり連邦税務申告では全く存在しないようにメンバーの申告書のみで対処することとなります。

(2)LLCを使った日本での申告との関連

米国ではLLCとしての申告とメンバーとしての申告(上記に記載しましたがDisregarded Entityの場合はメンバーとしての申告のみ)をいたします。直接保有との違いは直接保有の場合は米国不動産投資損益を日本でも申告をする必要がありますがLLCが米国不動産を所有している場合は損益を日本で申告する必要はありません。理由は日本の国税庁は米国のLLCを別法人とみなしているからです。実際にLLCから分配が合った場合はそれを配当所得として日本で申告をすることとなります。日本で損益の申告をしないので大きな償却のメリットを取ることはできません。ただ米国で不動産をいわゆる1031 Exchange(交換)をして日本での課税を心配せず課税の繰り延べをすることは可能です。

※なお、上記の説明は連邦税に関してです。州の取扱いもほぼ同じですが州により別途申告義務あるいはFeeが発生いたします。どの州も毎年の登録更新手続きは必要となります。

4.米国不動産売却時の源泉徴収について


(1)税制

非居住者が米国不動産を売却する場合は、売却価格の15%が連邦税として原則源泉徴収されます。売却した年の申告を翌年して売却益の利益とその他の所得に関しての税金を計算し清算します。源泉徴収金額の方が多ければ還付を受けることになります。
州によっても源泉徴収の規定がそれぞれあり、上記の連邦税以外に州によっては源泉税があります。

申告書で清算する場合の手続きは以下の通りです。

エスクローで連保税の源泉徴収がされた場合Form8288-Aという書類が発行されます。それを源泉徴収の証拠として申告書に添付して提出いたします。エスクロー(あるいは源泉徴収人)はForm8288とForm 8288-Aを連邦歳入庁に提出します。連邦歳入庁は源泉徴収税の支払記録、Form8288、Form 8288-Aが正確かどうかを確認した上で、還付があれば還付手続きを受けることになります。なお一般的にはForm8288-Aがエスクローから提出され、連邦歳入庁が書類の正確性を確認できれば承認番号が記載をされたForm8288-A Copy Bを売り手に郵送しますので、郵送されたForm8288-A Copy Bを申告書に添付することになります。

(2)源泉徴収の減免申請

上記が基本ですが売却利益がない、あるいは少ない場合、売却益に関しての課税が源泉徴収税額を大幅に下回ることが確実で還付を早めに受けたい場合は、源泉徴収税の減免を申請することが可能です。
ただし、本手続きは通常資料がすべて連邦歳入庁が納得する形で受付られてから90日かかります。経験上、提出後半年くらいかかることもありますので、減免申請をする前に手間と手続きにかかる費用をしっかりと考慮することが必要です。

(3)カリフォルニア

カリフォルニアは非居住者の不動産の売却に関して源泉徴収(売却金額の3.3%)を源泉徴収することになっています。エスクローでCalifornia州の源泉徴収がされた場合、Form 593という書類が発行されます。
連邦同様、申告書と共にForm 593を提出することにより清算します。こちらはカリフォルニア州の承認人番号は必要はありません。
連邦同様、減免申請(Form 593-C)を申請することは可能です。なお法人でカリフォルニアにForeign Corpとして登録がされている場合は源泉徴収はありません。