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【速報】Paycheck Protection Program Flexibility Act of 2020 に関する日本語解説

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(記載:6/8/2020)

2020年6月5日、トランプ大統領は、給与保護プログラムに関する柔軟法(以下、PPPFA)に署名しました。 この法律は、PPP(Paycheck Protection Program:給与保護プログラム)の返済免除額を最大化し、CARS法(PPPが当初、制定されたもの)に、いくつかの変更を加えることで、PPPの資金の使用に追加の柔軟性を提供することを目的としています。

下記は、概要であり、2020年6月上旬の情報をもとに記載されております。今後、状況が変化する可能性もありますので、取扱いにご注意ください。また、最新情報につきましては、お取引先のLender(融資業者)や銀行等にも、ご確認をお願いいたします。

(1)返済免除の対象期間を8週間から24週間に延長

本法律が適用される前は、ローンを受け取ってから8週間以内の支出が返済免除の対象となっておりましたが、融資金をより柔軟に分散して使用できるよう、24週間に延長されました。
PPPをまだ申請していない場合は、対象期間が延長され、PPPの資金を受け取った日から24週間後(約6か月)または2020年12月31日のいずれか早い方で対象期間が終了します。 すでにPPPを受け取っている場合は、24週間を使用するか、当初の8週間を維持するかを選択できます。

(2)給与と給与以外(モーゲージの利子・家賃・光熱費)の使用割合を75:25から60:40に変更

本法律が適用される前は、多くの企業にとって、給与の支出が全体の75%を占めておらず、残り25%で、モーゲージ(自社ビルのローン)の利子、家賃、光熱費をカバーするには十分でありませんでした。これにより、企業が物理的な場所を保持できない場合、従業員をも保持することはできないという状況に配慮して、給与以外の費用が、25%から40%に変更されました。

また、PPPFAでは、ローンの総額の60%を給与コストとして使用する必要があり、60%未満である場合は、返済免除の資格を失うようです(※但し、これについては、今後、もしかしたら、60%未満であったとしても、部分的な返済免除が認められるかもしれません。詳細については、今後、SBA等の公式ガイダンスが出るのを待って、確認する必要があります。)

(追記)本法律のの施行により、返済免除の申請時に使用されるForm 3508が、今後、作り直しされるようです。このため、まずは、この新しい申請フォームが出るのを待って、このフォームに記載されているガイダンスの内容を確認するのが良く、急いで、古いフォームで、返済免除の申請を行わないほうが良いようです。

(3)6月30日までの再雇用期日を12月31日に延長

本法律では、再雇用期間を延長することにより、失業手当の効果を相殺する配慮がなされています。
これは、失業手当が平均賃金よりも高くなっていることで、多くの企業がスムーズに再雇用できない事情が配慮されています。このため、PPPFAでは、失業手当の満了にあわせて、延長することになりました。

・ また、下記の点を文書化することにより、返済免除の削減を免れることができます。
2020年2月15日に従業員であった個人を再雇用できないことや、2020年12月31日、または、それ以前に、空席のポジションに同様な資格を持つ従業員を雇用できないこと、もしくは、
・ 2020年3月1から2020年12月31日までの間に、Secretary of Health and Human Services, the Director of the Centers for Disease Control and Prevention, the Occupational Safety and Health Administrationによって発行されたガイダンスの遵守(具体的には、衛生面、社会的距離、労働者や顧客への安全要件の基準の維持)により、2020年2月15日以前に営業していたのと同じレベルの営業活動に戻すことができないこと。

(4)2年の返済期間を5年に延長

9.11同時多発テロや2008年のリーマンショックでは、多くの業界が回復するのに、2年以上かかりました。このため、PPPのローンを返済するには、十分な収益の達成が企業にとって必要であることから、返済期間が2年から5年に延期されました。

(5)Payroll Taxの延納

本法律では、キャッシュフローの負担を改善するために、会社負担の給与税のうち、Social security tax(Gross金額の6.2%)の支払いを延期することができます。具体的な手続きにつきましては、給与システムとの連動が影響しますので、担当の会計士にご相談されてください。

日本語解説(担当:内藤)