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見出しだけでは何のことかわかりませんよね。

これは日本で国税局が「日本IBM」グループに課税した1197億円について、国を相手に課税処分の取り消しを求めた「日本IBM」グループ訴訟の判決で、裁判所がグループの主張を全面的に認め、課税処分を取り消したというニュースです。

つまりIBMは裁判で国に勝ったわけです。 
この判決が確定すると、1197億円に還付加算金などが加えた額がIBM側に返還されることになります。 この金額は裁判で取り消された課税処分としては過去3番目に大きい金額ということです。 

IBMとしては長い裁判を闘った苦労が報われました。 
内容は専門的なので細かく述べませんが、簡単に言うとまずグループの親会社が子会社株を買い取ります。その後、その株を買った時より安く子会社に株を売ったために株の売却損が生じます。 

例えば1株100ドルで買った株を60ドルで売るようなものです。 これでは1株について40ドルの売却損がでますね。 
IBMのケースではそれが4000億円の損失として計上されました。 それだけならよかったのですが、実はグループ会社には多
くの利益が出ていて、普通はその利益が課税対象になるわけですが、親会社の4000億円の損失は、グループ全体の連結納税をしたときに他の子会社の利益と相殺されてグループ全体の課税所得が少なく申告されることとなりました。 
国税局は親の4000億円の損失計上の経理処理は正当な理由や事業目的がなく、節税の限度を超えており、制度の「乱用」にあたるとして4000億円の損失の申告を認めなかったわけです。 

これに対して裁判所はこの株の売買取引は「グループが資金を効率的に使用できる機能を果たしていた」と認定し、IBM側の正当性を認めました。 つまり株の売買取引は正当な理由や事業目的があったということになります。 

課税処分をめぐる国と納税者との裁判はめずらしくないですが、ここまで納税者が全面勝利というのは珍しいですね。 

納税者の主張を一部認めるというのはよく聞きますが、今回は国のメンツが丸つぶれですね。 

もっともこの判決が出る前に、国税側は税制改正をおこない、今回のように100%子会社に子会社株を売却して損失(赤字)を計上することは禁じてしまいました。 つまり現在は今回のIBMグループのような株の売買は税務上できなくなり、節税もできなくなっています。 税制改正の背景はよくわかりませんが、改正前の規定では子会社株の売却損が節税になっていたのを、そう出来なくする改正をしたというのは裏を返せば以前の税法のままでは納税者が節税する余地があったというのを税務当局は認めていたということになるでしょうか。

アメリカにいるみなさんもIRSや州政府から税務調査などで課税の通知を受けることもあると思いますが、自分が正しいと思う処理をしていたと主張できるように日ごろからビジネスの経理処理について正しい対応をして、納得いかない課税には断固としアピールをしてもよいかもしれません。

 

(2014年5月19日記)



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